自由とバラ

友人は多い方だと思う。

良くも悪くも八方美人な性分であり、

自分を好いてくれる人はぼちぼち多く

その人達を嫌うことはそうそう無い。

故に友人と呼べる人物は多くいる方だと自負している。

 

そう、たまには友達の話をしよう。

 

 

とりわけその中でも、

居候のごとく 我が家にいる友人がいる。

極度の方向音痴に恐ろしい寝言を話す

大阪生まれ大阪育ちの生粋の関西人で、

食べログオタクである。(おそらくこの記事を見られる)

彼の寝言に関しては、それのせいで

寝れなくなった夜は片手では

数え切れないほどである。

 

出会ってすでに3年ほどだろうか、

大阪の専門に入学して同じクラスになった。

おそらくだが、クラスで1番友達に

なりたくない奴だった。

真っ白に近い金髪に、コテコテの関西弁で

ハッキリした物言いをする、

絵に描いたような関西人で

広島育ちの僕は馴染みのなさ故に

少々軽蔑していたのだろう。

だがなぜか、入学して3ヶ月もした頃には

サシで飯に行くようになった。

“波長が合う”という言葉があるが

まさにそれである。

 

初めてサシで行ったのは

京橋の洒落っけのあるパブだった。

そこで彼の家族の事や地元の友達の話や

将来の夢などを聞いた。

彼は見た目からは想像もつかない程

しっかりしていて、

僕は彼の人間性に興味が湧いた。

そして自分と似ていると感じた。

彼も僕の事を色々聞いてくれ、

僕も愛している地元の話を

関西人顔負けの口数で語り続けた。

人を見た目で判断してはいけない

小学校で習いそうな言葉だが

その言葉を再認識するいい機会になった。

 

その日から彼との関係は常住不断で

続いている。

飯時も放課後も休日も、

側から見ればいわゆる”ニコイチ”である。

美容学校では、写真のコンテストや

ヘアショーなど多くのイベントがあるのだが、

そのほとんどを共闘した。

 

2年の専門時代を経て上京してきた今も、

美容という道に区切りをつけ

服飾の世界に足を踏み入れた僕の後を

追うように(追ってはいないだろうが)

彼も服飾の道に進路を変えた。

運命共同体かよなんて、

そんな話がアルコールのアテになるぐらいだ。

 

大体は仕事に対するアツい話や女子顔負けの

恋愛話に花を咲かせる。

それは、場所を選ばず

時には公園で、時にはガストで、

朝から仕事でも関係なく2時3時になっても

話が尽きるまで帰ろうとはならない。

 

これからも続けていきたい。

京橋で語った夢とは違う方向に進んでいるが

どんな道も彼がいれば面白い出来事で

溢れるはずだろう。おそらく。

 

 

安酒を片手に

大好きな曲をかけて、

見えない将来の話でもしながら。

 

 

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グラスかたむけ  なつかしむ
そんな時代も  あったねと
笑う背中が  ゆれている
夢はすてたと 言わないで
他にあてなき 2人なのに

 

浅草キッド/ビートたけし