子ども

時刻は0時を回り、季節が塗り替えられていく様を、ベッドに横たわり外から聞こえる鈴虫の音を聞きながらこれを書いている。 目を瞑り実家の縁側を思い出す。 庭に面した2畳ほどのそこには、丸くなればすっぽりと収まることのできるシングルチェアと、古くか…

独りっ子

この季節になるとそこはかとない不安が木枯しに乗って体の奥まで吹き荒らしてくる。 何がそれを生み出しているのかなんてのは、ブラックホールの先がどうなっているかと同じくらい取り止めのない話なのである。 だからこそ人はこの哀愁やノスタルジーに浸り…

分岐

二つの道が目の前にある。 一方はおっとりとした4月の始まりのような空気に包まれている。黄緑色の若葉は光を反射させ、穏やかな風は草木を少しだけ揺らしては収まり、それを繰り返している。 一方は安定を知らない曇り空が広がり、雨に晒されたグラウンドの…

2020年5月1日

生暖かい風、花の匂い、 花たちは若葉を輝かせながら、 季節はしっとりとこの平穏な日々を見守る。 いつもなら初夏の兆しに心躍らせ、 スチャダラパーのサマージャム'95でも フライングして聴き始めるのだが、 今年はそうもいかない。 当たり前のように昼夜…

夢見る少女じゃいられない

小学生の自分は、20歳の自分宛に 書いた手紙に 今はサッカー選手になってるの? と綴っていた。 すまないけど、サッカーは中学までしか やってない。 今自分が全うしているつもりの仕事であったり 生き方を見たときランドセルを背負った僕は どう思うのだ…

無題

今回は今まで以上に支離滅裂でまとまりがないかもしれないがご容赦願いたい。 目の前に昔ながらのダイヤル式黒電話がある。 これだけ聞くとレトロな面影を残した街の 喫茶店だったり、地域密着型の内科とか、 田舎のおばあちゃんちを 想像するかもしれないが…

自由とバラ

友人は多い方だと思う。 良くも悪くも八方美人な性分であり、 自分を好いてくれる人はぼちぼち多く その人達を嫌うことはそうそう無い。 故に友人と呼べる人物は多くいる方だと自負している。 そう、たまには友達の話をしよう。 とりわけその中でも、 居候の…

Setagaya

大東京に住みついて一年が 経過しようとしている。 振り返れば仕事に忙殺され、 東奔西走でバッタバッタであった。 確かに考えてみれば、 美容学校を経て服を売っているのだから ごく当たり前な事である。 1年前の自分に現状を伝えた時、 首は縦に振ってく…

セロリ

日本を二極化するなら確実に 西日本と東日本という括りであろう。 育ってきた環境が違うから 好き嫌いは否めない夏がだめだったり セロリが好きだったりするのね SMAPのセロリにもこのようにある。 生粋の西育ちの僕は東の文化に少々 頭を悩まされる事がある…

シトラスと大阪

「音」つまり聴覚から得る情報が 群を抜いて脳裏に深く刻まれると思っていた。 例えるなら学生の頃聴いてた音楽を 久々に聴いて学生時代を思い出したり、 帰省時に地元の人たちの 使う方言を久々に聴いて、 帰ってきたなと感じさせてくれる、 アレである。 …

狭く深く

今現在、都内で某ファッションブランドに勤務してるわけだが、そもそも何事に対してもあまり深く知識を追求するタイプではなかった。 というのも今の若者の特徴として、広く浅く知識を得ようとする傾向にあるらしい。(例外もいるだろうが) つまり、その一般…

ルーティーン

休みの日は決まって12時頃に目がさめる。 起きて顔を洗うのと髪の毛を濡らすのを 同時にシャワーで行い、 ドンキホーテでまとめ買いした 布切れのようなタオルで顔を拭き、 鏡の前に座る。 そして歯磨きをして、Aesopの化粧水を塗り、 ありきたりな整髪料を…

ハーゲンダッツ

最近までこの季節にアイスを食べたがる人の気持ちが全く理解できなかった。 そもそも体を冷やすために生まれたものを何故凍てつくこの季節に口にする必要があるのか、そんなことを思っていたが、案外悪くないと、最近は思う。そうつまりハーゲンダッツは年中…

真夜中

あの頃、真夜中に聴こえる音なんて 鈴虫の鳴き声か、 風に揺れる木々の奏でる効果音だった。 今日この瞬間に聴こえる音は、 国道を這う鉄の塊の走行音か 酔っ払いの吹っ切れた楽しげな笑い声。 1つの林檎に針を1000本刺したような 密度の街で 人工的な音以…

東京ローラーコースター

朝はギリギリまで寝たいタイプなので 割とフワフワした意識で電車に乗り 忙しさや責任からうまれる憂鬱のせいで 若干のノスタルジアを感じながら職場へ向かう。 朝職場に行く電車は下りの電車だから くたびれたスーツに 押しつぶされる事はない。 列車内では…

生活

東京に来てから8ヶ月ほどが経過した。 こういう時、東京での胸躍らせたエピソードなどがあれば、 さぞブログらしく着飾れるのだが、そういった出来事は皆無に等しい。 何故かって?そもそもそこまで感情的になる人間ではないという事もあるが、そこまで出来…